踏み台昇降を行うために絶対に必要なものといえば、当然ですが「踏み台(ステップ台)」です。
踏み台と一口に言っても、その種類は様々。それぞれに特徴があり、目的やレベル、本気度にあわせて選ぶ必要があります。
大きく分けると、踏み台昇降に使える踏み台(ステップ台)は以下の5タイプ。
1. エアロビクス用の本格的なステップ台
2. 家庭用のコンパクトなステップ台
3. 日常的な使用に特化した独自開発の踏み台
4. 階段などの段差を利用する
5. 自分で作る
それぞれのメリットとデメリット、目的にあわせた選び方についてご説明していきます。
もくじ
1. エアロビクス用の本格的なステップ台
エアロビクスで行われる踏み台昇降は「ステップエクササイズ」や「ステップトレーニング」などと呼ばれます。
それに使用する踏み台を「ステップ台」といいます。
ステップ台の特徴は、やはり本格的な運動として使うことを目的にしているため、造りがしっかりしており頑丈で幅も大きめ。そして運動強度をコントロールするために重要な「高さ」を変えることができるのがポイントです。
販売元も有名なスポーツブランドのほか、フィットネスクラブが監修して出しているものなどもあり、品質などの安心感も高いです。
基本的に運動靴を履いて使用します。
2. 家庭用のコンパクトなステップ台
エアロビクス用のステップ台は横移動や複雑な動きにも対応するためサイズもかなり大きめ。それをシンプルな昇降運動のみの用途に絞って家庭用にコンパクトにしたステップ台が様々なメーカーから販売されています。
サイズは本格的なエアロビクス用のステップ台が大体1m以上あるのに対し、家庭用のものは横幅が60~80cmくらいが主流です。
ステップ台の買い方と選び方
ステップ台はどこで買える?
スポーツショップの他、Amazon、楽天などの通販サイトでも取扱いがあります。
値段は本格的なスポーツブランドのものは1~2万円程度が主流。家庭用のコンパクトなものは数千円から1万円くらいまで、品質や機能、素材によっても様々です。
選び方のポイント
運動強度やカロリー消費などを意識しながら本格的に頑張りたいなら、高さが何段階まで変えられるかを必ず確認しましょう。
本格的なタイプでは、東急スポーツオアシス、エバニュー、BODYMAKERのステップ台が 10cm / 16cm / 22cm の3段階。
リーボックが 15cm / 20cm / 25cm の3段階となっています。
家庭用タイプでは、現在Amazonや楽天で販売されているもののほとんどが、基本の高さが10cmで、そこから5cm単位で2段階(10cm / 15cm)、または3段階(10cm / 15cm / 20cm)に変えられるものになっています。
継続的にレベルアップを目指していきたい方や、ご家族など年齢の異なる複数人で使用する場合は、3段階に変えられるものがおすすめ。
安すぎる商品に注意
家庭用のコンパクトなステップ台の中には、2~3千円くらいのお手頃価格な商品も発売されています。
「単に昇り降りするだけだし、とりあえず安いやつでいいかな」と思ってしまいそうですが、安いものにはそれなりの理由があります。
たとえば、滑り止めが付いてなかったり…。ステップ台は基本的にポリプロピレンなどの合成樹脂(要はプラスチック)で作られているので、土台となる脚の部分がそのままだと床に置いた時に滑りやすいです。また、床に傷をつける可能性もあります。裏側がどうなっているかを確認しましょう。
また、通販でありがちなのが、予想以上にサイズが小さかったり…。足を乗せた時につま先やかかとが前後にはみ出してしまうのは安定せずよくありません。少なくとも自分の靴のサイズにプラス5cmくらいの奥行きはほしいところです。サイズ確認はしっかりと!
ステップ台のメリットとデメリット
簡単にまとめると、次のような点があげられます。
メリット
- 高さ調節ができる
- 頑丈で安定感がある
- 家庭用のコンパクトなものから本格的なものまで選択肢が幅広い
- 本気でやってる感が出てモチベーションに繋がる
デメリット
- 場所を取る
- 見た目が部屋に合わない
- 靴やマットなども必要
本格的に踏み台昇降を続けていくなら、しっかりとしたステップ台を用意するのが一番です。そのほうがやる気にもつながります。
踏み台昇降は歳をとっても続けられる運動なので、丈夫な良い製品を持っておけば長期的にも使えます。
ただ、あくまでもスポーツ用品であり、本格的なものになればなるほどサイズも大きくなるので、部屋にそのまま置いておくには場所を取ります。また、見た目もいかにも「トレーニング器具」という感じなので、インテリアとのバランスも悩みどころです。最近は家庭用にカラフルなタイプのステップ台も登場していますが、それでもそれなりに存在感があります。
その辺が気にならないなら、迷わずステップ台で踏み台昇降を始めましょう。
3. 日常的な使用に特化した独自開発の踏み台
ステップ台は普段生活する部屋には置きづらい…毎回出し入れしたり、マットを敷いたり、靴を履いたりするのもやっぱり面倒…そんな人におすすめなのが、より手軽に日常的に使うことを前提に開発された室内用の踏み台です。
スリムルームステッパー

ステップ台の「大きくて場所を取る」「重くて毎回取り出すのが大変」「硬いので運動靴必須」「置いてるとトレーニング頑張ってる感が出てしまう」…といった悩みを見事に解決した、小型で軽くてはだしで使えて見た目もカワイイ、そんな踏み台が発売されています。
それがスリムルームステッパー。
踏み台と言えば四角くて硬くて…というイメージですが、このスリムルームステッパーは丸っこくてまるでクッションみたいでかわいい!
これなら部屋にそのまま置いておいても自然ですね。
そして一番のポイントが、足で踏む部分が柔らかい素材になっているのではだしで使えること。しかも、足裏を刺激する膨らみがあって踏むたびに気持ちいい! さらに、ゆるやかな角度の傾斜になっているので、自然にふくらはぎのストレッチができる構造になっています。
メリット
- そのまま部屋に置いておける
- 見た目がかわいい
- はだしで使える
- 足裏マッサージ&ストレッチ効果もある
- 角がないので子供が触っても安全
- 軽くて持ち運びも簡単
デメリット
- 高さが変えられない
- 本格的なエクササイズには不向き
デメリットとしては、高さが固定であることがあげられます。スリムルームステッパーの高さは19.5cm。日本で販売されている一般的な家庭用のステップ台は10~22cmの高さがほとんどなので、どちらかと言うと高い部類に入ります。
高さが高いということは、得られる運動強度も高いということなので、見た目に似合わず結構な運動になります。高齢者の方や、体力に自信の無い方は、事前に19.5cmの踏み台がどのくらいのものなのか確認しておくといいかもしれません。
逆に言うと、ダイエット効果も十分期待できるということ。運動強度からカロリー消費を計算して目標を決めて取り組む場合には、プランも立てやすいと思います。
踏み台昇降はどのくらい続けるとダイエット効果がある?
また、あくまで室内で裸足で使うために作られた踏み台なので、本格的なエアロビクスのようなエクササイズには使えません。踏み台昇降にハマりすぎて「さらに上を目指したい!」となった場合は、専用のステップ台を手に入れましょう。
日常的に過ごしている部屋で、思いついた時にすぐ踏み台昇降したい! というタイプの人には文句なしでおすすめです。
いつでも部屋に置いておけるということは「ついついやってしまう」ことも増えそうですね! 継続のしやすさも◎です。
【スリムルームステッパー】
フミッパー


一方こちらはとにかく「軽さ」にこだわった踏み台「フミッパー」。
木目のデザインになっていますが、素材はなんとダンボールでできています。ちょっとびっくりしますが、しっかりと組まれたつぶれない造りになっており、想像以上に丈夫。裏には滑り止めも付いており、安心して普通に昇り降りできます。
また、上部がゆるやかな内向きの傾斜になっているため、O脚の改善などにも効果があるそうです。
気になる重さは1.64kg。家庭用のコンパクトなステップ台が大体3~5kgなので、かなり軽いですね!(ちなみに本格的なステップ台だと7~8kgくらいになります)
メリット
- とにかく軽い
- 取っ手付きで片手で持ち運び可能
- 小さいので収納も楽らく
- はだしで使える
- 内向きの傾斜で姿勢改善効果あり
デメリット
- 高さが変えられない
- 横幅が狭いので注意
- 見た目が地味
- 本格的なエクササイズには不向き
フミッパーの高さは15cm。一般的なステップ台のまさに平均値的な高さで、健康づくり、ダイエットともに問題なく活用できるでしょう。
注意点としては、横幅が34cmとかなり狭いため、テレビを見ながらやる場合など、油断すると足を踏み外してしまう可能性があります。高齢の方が使用する場合は十分お気をつけ下さい。
また、意外と丈夫とはいえダンボールなので、ピンポイントで一箇所に何か硬いものをぶつけたりすると凹んでしまう可能性があります(足で昇り降りする分には全然問題ありません)。
スリムルームステッパーは「いつでも部屋に置いておける」のがポイントですが、フミッパーは「いつでもすぐに取り出せる」ところが魅力と言えるでしょう。
お好みのライフスタイルに合わせてお選び下さい。
運動不足・筋力の低下に踏台昇降ボックス「フミッパー」
4. 階段などの段差を利用する
“段差があれば、そこはもう踏み台である”
古代ギリシャの有名な哲学者さんの言葉です。
……というのは冗談ですが、これぞ「どこでもできる」踏み台昇降の醍醐味! 階段でも玄関でも、ちょっとした段差があれば、それを踏み台の代わりに利用してしまうという方法があります。

高さが変えられない、場所によっては誰かに見られる可能性がある、などの問題はありますが、たとえば旅行先などで「どうしても今すぐ踏み台昇降がやりたい!」という禁断症状(笑)が出てしまった場合などには、どこか手頃な段差を見つけるのが一番の特効薬になることでしょう。
ひとつ注意しなくてはならないのが、安全性の部分です。
民家の室内の階段であればフローリングであることが多いはず。素材によっては滑りやすい可能性もあります。
また、幅や奥行きの面でも、動きが制限される可能性が出てきます。ぶつけたりつまずいたりすることのないよう、十分注意して行いましょう。
5. 自分で作る
“踏み台は、つくれる!”
とある人気ファッションブロガーさんの言葉です。
……というのは冗談ですが、踏み台は自分で作ることもできます。定番は、古雑誌を重ねてガムテープでしっかり束ねて作る方法。さらにそれを段ボール箱に詰める人もいますね。

古雑誌で作る踏み台のデメリットとしては、かなり重くなるということ。
その上ガムテープぐるぐる巻きなので、見た目も決してよろしくはありません。巻きが足りないと、剥がれてきてページが破れたりすることもあります。
また、横幅と奥行きも雑誌の表紙サイズになるので狭くなります。わかりやすい例だと「an・an」や「non-no」のタテの長さが約30cm、ヨコが約23.5cmです。
このように、使いやすさや安全性の面では正直あまりおすすめはしません。注文した踏み台が届くまでの間など、短期間と割り切って使うくらいがいいかと思います。
ちなみに踏み台昇降(ステップエクササイズ)をエアロビクスに取り入れた第一人者といわれるインストラクターのジン・ミラーさんは、膝のリハビリの際にドクターから「牛乳箱の昇り降りをするように」と言われ、それがステップエクササイズ考案のきっかけになったそうです。

世界初のステップ台は、牛乳箱だったのですね!
確かに雑誌を束ねるよりも、丈夫なプラスチックの箱のほうが実際のステップ台にも近くて安定感がありそうです。自宅にある人は試してみては?
ステップ台の選び方のまとめ
以上、様々な種類の踏み台についてご紹介しました。目的とタイプ別に簡単にまとめると、以下のようになります。
計画的に本気でダイエットに取り組みたい人
→ 1. エアロビクス用の本格的なステップ台
→ 2. 家庭用のコンパクトなステップ台(3段階に変えられるものがおすすめ)
カッコよさ重視!まずは形から入る派の人
まずは運動する習慣を付けることから始めたい人
→ 2. 家庭用のコンパクトなステップ台(3段階に変えられるものがおすすめ)
生活の合間に健康づくりや老化防止に取り組みたい人
→ 2. 家庭用のコンパクトなステップ台
→ 3. 室内用の独自開発の踏み台
楽しさ重視で気軽に続けたい人
めんどくさがり屋だけど運動不足は気になる人
安さ重視!とにかく節約したい人
ご自身のライフスタイルにあわせて、しっかり続けられそうなものを選びましょう。